【元塾長が解説】何度叱っても約束を守らない子には「決め方」を変える|親子で納得するWin-Winのルールづくり

教育

「ゲームは1時間までって言ったよね」「おもちゃは自分で片付けなさい」——何度も同じことを言っているのに、約束がなかなか守られない。

そのたびに声が大きくなり、あとで自己嫌悪になる。そんな経験はありませんか。

結論から言うと、約束が守られない原因は、お子さんの「だらしなさ」ではなく、ルールの「決め方」にあることが多いです。

今回は、教育現場で多くの親子を見てきた立場から、『7つの習慣』の「Win-Win」という考え方をもとに、叱らなくても続く親子の約束づくりを解説します。

約束が守られないのは、「自分で決めたルール」ではないから

親が一方的に決めたルールは、子どもにとって「守らされるもの」です。守らなければ叱られるから従う、という構図になるため、親が見ていないところでは守る理由がなくなってしまいます。

さらに、この状態が続くと、ルールを破るたびに叱られ、叱られるから隠す、という悪循環に入りやすくなります。子どもの側からすれば、「守らない」というより「守る意味が分からない」状態なのです。

「Win-Win」とは、親も子も納得できる着地点を探すこと

『7つの習慣』の「Win-Win」は、どちらかが我慢して勝つのではなく、双方が納得できる解決策を探すという考え方です。

家庭に置き換えると、「親が勝って子どもが従う(Win-Lose)」でも、「叱るのが面倒で子どもの言いなり(Lose-Win)」でもなく、親の願いと子どもの願いの両方を満たすルールを一緒に見つけることです。

たとえば、親の願いは「ゲームのしすぎで生活リズムが崩れないでほしい」、子どもの願いは「好きなゲームを気持ちよく楽しみたい」です。この2つは、実は両立できることが多いのです。

親子で納得するルールをつくる4つのステップ

ステップ1:先に「何のためのルールか」を伝える

「ゲームは1時間」と結論から伝えるのではなく、「夜ぐっすり眠って、明日も元気に遊べるようにしたいんだ」と、ルールの目的を先に共有します。

目的が分かると、子どもは「やらされている」から「理由が分かる」に変わります。

ステップ2:子どもの意見を、最後まで聞く

次に、「どうしたらいいと思う?」と子どもに聞きます。大人から見て現実的でない案が出ても、まずは否定せずに最後まで聞くことが大切です。

自分の意見が聞いてもらえた、という経験が、ルールへの納得感を生みます。

ステップ3:お互いの願いが両立する案を一緒に決める

子どもの意見を踏まえつつ、「宿題が終わったら30分は好きなだけ」「時間になったらタイマーで自分で止める」など、双方の願いが満たされる形に落とし込みます。

決まったルールは、紙に書いて見える場所に貼ると、親子の共通の約束として機能しやすくなります。

ステップ4:定期的に見直す

最初に決めたルールが、うまくいかないこともあります。その場合も、守れなかった子どもを責めるのではなく、「このルール、どこが難しかった?」と一緒に見直します。

ルールは一度決めて終わりではなく、親子で育てていくものです。

年齢に合わせた関わり方のコツ

幼児期は、言葉だけの話し合いが難しいため、「どっちがいい?」と2択で選ばせる形から始めると取り組みやすくなります。

小学生になったら、少しずつ「どうしたらいいと思う?」と自由に考えさせる場面を増やしていきます。年齢に合わせて「決める範囲」を広げていくことで、子どもの自律心が育っていきます。

子ども自身が「決める」経験を積むほど、自分から動ける力は育ちます。その背景にある考え方は、こちらの記事で詳しく解説しています。

👇あわせて読みたい
【元塾長が解説】「勉強しなさい」と言うほど子どもが動かなくなる理由|主体性を育てる関わり方

まとめ|ルールは「守らせるもの」から「一緒につくるもの」へ

約束が守られないのは、子どもの意志の弱さではなく、ルールが「親に決められたもの」になっていることが原因であることが多いです。

目的を伝え、意見を聞き、両立する案を一緒に決め、定期的に見直す。この流れを意識するだけで、叱る回数を減らしながら、約束を守る子どもに近づいていきます。

まずは今日、ひとつだけ、子どもに「どうしたらいいと思う?」と聞くところから試してみてください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました