
学校生活を送る中で、「なんとなくやる気が出ない」「体がだるい」「最近よくイライラする」…そんなふうに感じたことはありませんか?
それは、心や体が「ちょっと疲れてるよ」と教えてくれているサインかもしれません。
心と体の疲れのサインに気づこう

心身の疲れは、初めはちょっとした違和感として現れます。でも、気づかずに放っておくと、不登校やうつ状態などにつながってしまうこともあります。
以下のようなサインに心当たりはありませんか?
身体に現れるサイン
- 朝起きられない、だるさが取れない
- 頭が重い、頭痛が続く
- 食欲がない、または食べすぎてしまう
- 胃が痛い、気持ち悪い
- 寝ても寝ても眠い、または夜眠れない
心に現れるサイン
- 勉強や部活に興味がわかない
- イライラしやすい、怒りっぽい
- 友達と話すのが面倒になる
- 理由もなく不安になる、涙が出る
- 「消えてしまいたい」と考えてしまう
「ただの甘えかも」と思わずに、これらのサインを真剣に受け止めることが大切です。
なぜ疲れるの?学生の心身が疲れる原因

学生の疲れには、思春期特有の変化や、学校生活ならではのストレスが関係しています。
勉強のプレッシャー
- 定期テストや受験に対する不安
- 成績が伸びない、周囲と比べてしまう
- 塾や課題での疲れがたまる
人間関係のストレス
- 友達関係のトラブルや無理な付き合い
- SNSでの人間関係(既読スルー、仲間外れなど)
- 教師や家族との摩擦
部活動や習いごとでの疲れ
- 長時間の練習や指導者のプレッシャー
- 勝たなければならないという重圧
- 両立できない焦り
家庭の問題や生活リズムの乱れ
- 家族関係のストレス(けんか、無関心など)
- 睡眠不足やスマホの使いすぎ
- 食事が不規則、1人で過ごす時間が長い
疲れたときの対処法・セルフケアのヒント

心や体が疲れているときは、まず「自分は疲れているんだな」と気づくことが大事。その上で、少しずつ生活を整えたり、話せる人を見つけたりすることで、回復に向かうことができます。
睡眠を見直そう:寝る時間・寝方を変えるだけで、心と体はぐっと軽くなる
- スマホは寝る30分前には手放す
→ ブルーライトは脳を覚醒させてしまう。アラームだけセットして机に置こう。 - 部屋の明かりはオレンジ系にする
→ 白くて明るい照明より、暖色系のライトや間接照明が◎ - 寝る前にすることをルーティン化
例)歯磨き→ストレッチ→深呼吸→電気を消す、など。決まった流れを作ると、眠りにつきやすくなる。 - 眠れない夜は「無理に寝ようとしない」
→ 本を読む、ぼーっとする、日記を書くなど、リラックスできることを10〜20分やってから再び寝ることをおすすめ。
食事をととのえる:ちゃんと食べることで、体も心も回復しやすくなる
- 朝ごはんを食べる習慣をつけよう
→「食べる時間ない」は、バナナ1本+牛乳、ヨーグルト+おにぎりだけでもOK! - イライラしやすい人は「ビタミンB群」を意識
→ 豚肉、納豆、卵、バナナなどに多く含まれる。学業ストレス対策にも◎ - 疲れているときこそ「食べないより、軽く食べる」
→ 胃が重いときは、野菜スープやおかゆ、ゼリー飲料などでエネルギー補給。
気持ちを整理する方法:心の中を「見える化」して整理する
- 感情をそのまま書き出す
→ ノートやスマホのメモに「今の気持ち」や「イライラの原因」を書いてみる。頭の中が整理される。
例)
「今日のテスト、全然できなかった。やる気なくした」
「友達とちょっとしたことで気まずくなってしまった」 - 「今日のよかったこと」を3つ書いて寝る
→ 例:「コンビニの店員さんが親切だった」「英語の単語が覚えられた」「犬がかわいかった」
→ 小さな幸せに目を向けることで、心が少しポジティブになる。 - 深呼吸やストレッチを習慣に
→ 5秒吸って、5秒止めて、5秒かけて吐く。1日3セット。
→ 首や肩のストレッチで、体の緊張をほぐすと心も緩む。
「がんばらない日」をつくる:「今日はこれだけやったらOK」と決めてあげることが大切
何もしない日も必要
→ ごろごろして、ぼーっとして、空を見てるだけでもいい日があっていい。
勉強は「1問だけ」「10分だけ」でもいい
→ 「できなかった」より「少しでもやった」ことを認める。
部活を1日だけ休んでも大丈夫
→ 心身が回復すれば、パフォーマンスは自然と戻る。
誰かに話してみる:人に話すことは、感情を整えるとても大きな手段
信頼できる人に話してみる
→ 親、兄弟姉妹、先生、友達、先輩など。「話すだけ」で気持ちが軽くなることも。
話しづらいときは、メッセージでもいい
→ 「最近ちょっとしんどいかも」と一言だけでも伝えてみよう。
学校の相談窓口を使う
→ スクールカウンセラーや養護教諭に話すのもOK。専門知識がある人に話すことで、状況が客観的に見えてくる。
ちょっとした「自分時間」を大切に:自分が「楽しい」「落ち着く」と思える時間を、毎日数分だけでも
- 好きな音楽を聞く
- 1ページだけ好きな本を読む
- 動物の動画を見る
- 絵を描く、歌を歌う、ギターを弾く
- 紙に「ありがとう」と書いてみる(ポジティブな言葉は心を安定させる)
疲れたとき、つい「もっと頑張らなきゃ」と思ってしまうかもしれません。でも、本当に必要なのは「立ち止まる勇気」と「自分をいたわる時間」です。
どれか1つでも、今日から試してみてください。「自分を大事にする力」は、誰にでも少しずつ育てていけるものです。
どうしてもつらいときは?

以下のような状態が2週間以上続く場合は、心の病気の可能性もあります。恥ずかしいことではありません。早めに大人や専門機関に相談しましょう。
- 夜眠れず、朝起きられない日が続く
- 強い不安や涙が止まらない
- 何をしても楽しいと感じない
- 学校に行けなくなる
- 自分の存在を否定する気持ちが強くなる
相談先の一例
- 学校のスクールカウンセラー・養護教諭
- 児童相談所
- 24時間子どもSOSダイヤル
- 民間のカウンセリングサービス
疲れているのはあなたのせいじゃない

あなたが感じているつらさや疲れは、「弱いから」でも「ダメだから」でもありません。現代の学生が抱えるストレスはとても大きく、誰にでも起こることです。
大切なのは、「気づくこと」「休むこと」「話すこと」。
自分を大事にすることは、甘えではなく生きる力です。
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